柔術から学ぶマニュアル人間の重要性
こんにちわ
皆さんはマニュアル人間と聞くと、どんな印象を持ちますか?
融通が利かない、応用力がない、主体性がない・・・など社会では通用しないマイナスイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
私も以前はそのような印象を持っていました。
しかし柔術の練習を通じて、マニュアル通りに対応できるって実はかなり優秀なんじゃないか?って思うようになりました。
そこで今回の記事では、柔術の練習を通して学んだ「マニュアル人間」の重要性に関して書きたいと思います。
マニュアル人間ってなに?
まず、「マニュアル人間」を定義したいと思います。
私が考えるマニュアル人間は
「型通りの対応ができるが、非定型の事象に対して応用が効かない人」
です。
つまりマニュアル人間のメリットは「型が身についている」
デメリットは「応用が効かない」と言えるでしょう。
そう考えればマニュアル人間ってそんなに悪い事ではないでしょう。
だって型が身についている=基本が身についている
って事ですからね。
マニュアル通りにやる人をマニュアル人間とか言ってバカにする風潮があるけど、マニュアル通りにやれる人ってかなり有能やからな
— ゼロ@2代目弁護士 (@zero_lawyer) January 1, 2019
一番たちが悪いのはマニュアルをバカにして謎の個性を発揮してくる層やからな
基礎がない個性ほど不要なもんはないと思うわ
柔術におけるマニュアルはドリル
多くの道場ではクラスでドリルの後にスパーリングを行うかと思います。
このドリルが柔術における「マニュアル」でしょう。
けれど、道場を見渡すとスパーリングだけ参加する生徒が多いように思います。
これはドリル(マニュアル)を軽視し、スパー(応用)を重視している結果と思われます。
成長曲線の罠
ではなぜドリルは軽視されるのでしょう?
それは成長曲線の罠が関係していると考えられます。
多くの場合、クラスで習ったドリルの内容をその日のスパーリングで実践できている人はほとんどいません。
けれど、今までに身についた技、フィジカルを活用すれば、スパーリングは成立してしまいます。
むしろ不慣れな技を試そうとするのでスキが生まれ、相手に極められてしまうでしょう。
その結果、新しい技の習得を諦めてしまいます。
そうするとスパーリングが技の習得に結びつかないため、伸び悩む原因になります。
1枚目の図を見て下さい。
これがフィジカル、既存技術でスパーリングを行った人の成長曲線のイメージです。
最初は普段持っている技術が洗練されるため、成長を実感します。
しかし、新しい技術習得がないため、やがて成長は頭打ちになってしまいます。
次に2枚目の図を見て下さい。
これは新しいテクニックの習得を意識した人の成長曲線のイメージです。
テクニックが身につかないうちは成長を実感できませんが、やがてテクニックが身につき、かつ次の技を探すため、成長し続ける事ができます。
ヒクソン・グレイシーのアドバイス
私は柔術歴2年弱の初心者です。
ですが、ヒクソンさんの練習に関するアドバイスが僕の考えに多少の説得力を持たせてくれるかもしれません。最後にそれを引用して締めたいと思います。
「トレーニング中にスパーをしている時でも、自分の持っている自然な才能を最低限に抑える必要がある。自分自身を制限することにより、更に悪い状況になるかもしれないが、こうならなければ使わなかったテクニックを使って、そこから脱出する方法を考えることを余儀なくされる。これをやり始めると、ある状況で実際に何が間違っているのかを理解し始め、状況をよくするために技術的な方法で実際何をする必要があるのかを理解し始める。それにより、本当の深い進歩が始まり、あらゆる状況の仕組みを理解し始めるのだ」
「真剣なファイトでも試合でも、戦いの仕組みは穏やかにトレーニングしているときとまったく同じであることを覚えておくことが大事だ。唯一の重要な違いは、精神的な態度である。トレーニングする時は相手と競争することよりも、学ぶことに重点を置くべきだ」
「戦っている時はいろいろな緊張、感情を持ち込んでいるため、学んではいない。楽しい時や、滑らかに柔らかにトレーニングしている時に学ぶのだ。どのような状況でも快適になるまで、テクニックの向上に取り組む必要がある。そのうちテクニックを潜在意識で理解し、反射的に動けるようになる。このすべてをやった後に、自分の持っている自然な才能を「棚から下ろし」て、自分のゲームに取り入れる準備ができている。今やテクニックの有効性は、少なくとも10倍はいいだろう」
ここまで読んでいただきありがとうございました。